アーセナルがゲーム会社と提携、仮想通貨による資金調達を宣伝
仮想通貨を使って資金調達をするICO(Initial Coin Offering)を推し進めるため、アメリカのゲーム会社はイギリスのサッカークラブ、アーセナルとパートナー契約をした。
このICOによって、キャッシュベット(CashBet)は7000万ドル(約77億円)の資金調達を見込んでいる。
仮想通貨人気の波に乗って、資金調達を狙う動きが乱立する中、自身のICOを差別化するのは容易ではない。
だが、カリフォルニア州に拠点を置くデジタル・ギャンブリング・サイト「キャッシュベット」は、雑音をはねのける方法を見つけたと考えている。
創業から5年が経つ同社は、イギリスのサッカークラブ、アーセナルとパートナー契約し、ロンドンにある6万人を収容するアーセナルのスタジアムで、そのICOを宣伝するとガーディアンが報じている。
同社は、イーサリアムのブロックチェーンを利用したキャッシュベット・コイン(CashBet Coin)が「支払いの遅延問題」を解決するだろうと、ウェブサイトで述べている。他のカジノでは支払いまでに4日を要するが、同社の仮想通貨は瞬時にプレーヤーに支払うことができると主張している。
「キャッシュベット・コイン(CBC)は、これまで中央集権的な金融機関から十分な支援を受けられずにいた世界的なエンターテインメントへのアクセスを民主化するだろう」キャッシュベットのCEOマイク・リーブス(Mike Reaves)氏は言う。「CBCは、キャッシュベットが支援するカジノの選択通貨 —— オペレーターのライセンス料やコンテンツ料の支払い、プレーヤーの素晴らしいゲームへの賭け金として使われる —— になるだろう」
言い換えれば、キャッシュベット・コインは伝統的なカジノのチップのような役割を果たすことが期待されている。一度、法定通貨をカジノのチップと交換すれば、その円形のプラスチックがゲームの賭け金として使われる。
キャッシュベットは、当初価格を1トークンあたり0.50ドル、4億3000万トークンをハードリミットとして、4000万ドルから7000万ドルを調達したいとしている。どのブロックチェーンや仮想通貨取引所がキャッシュベット・コインをサポートするかは、まだ分かっていない。
「我々のパートナーとして、キャッシュベット・コインを迎えられることをうれしく思う」アーセナルのチーフ・コマーシャル・オフィサー、ヴィナイ・ヴェンカテシャム(Vinai Venkatesham)氏はプレスリリースで述べた。「新たな仮想通貨のスタートにあたり、キャッシュベット・コインとともに働けることを楽しみにしている」
アメリカの規制当局が警鐘を鳴らし、全面禁止とする国もある一方で、ICOは爆発的に流行し続けている。2017年10月時点で企業や組織がICOで調達した資金は27億ドル(約2950億円)と、従来のベンチャーキャピタルによる資金調達を上回っている。
アーンスト・アンド・ヤング(EY)は、ICOの詐欺やサイバー攻撃によって、2017年には約4億ドル(約440億円)が盗まれたと見ている。アーセナルは、キャッシュベットとの契約金額については明かしていない。
大きな会社や有名なスポーツチームが広告塔になることでそれはとても良いものだと思いがちです。
それは私たちにとっても分かり易く安心感がありますが、どのようになっていくかは分からないものです。
携わっている人たちがどのような人たちかしっかりとチェックする必要があるでしょう。